最重要項目クラリティ
ダイヤモンドの「4C」、例え「カラー」や「カット」が最上級だとしても「クラリティ」のグレードが低ければ、ダイヤモンドの価値も低くなり、輝きや美しさは全く期待できません。それだけに、クラリティはダイヤモンド4Cの中で最重要項目なのです。

・価格には必ず理由がある。
実際にダイヤモンドは4Cの総合評価で価格が変わりますが、「クラリティ」のグレードはダイヤモンドの価格に直結しています。
例えば1Ctのダイヤモンドの販売価格は10万円を切るものから数百万円する物まで沢山あり上を見ればきりがありません。当然ですが10万円を切る様なダイヤモンドは、テレビショッピングや格安ネット通販で良く見かけ傷だらけで全く輝かないダイヤモンドです。工業用のダイヤモンドより価値の低い代物で、安さに魅力を感じ購入してしまい後悔する方が続出しています。ただ一つ確かな事は安い価格には必ず理由があると言う事です。そして、このページ最後にエタニティの取り組みとポリシーを紹介していますので、是非とも最後まで読んで頂けましたらと思います。
そこで今回は、この様に価格にも美しさにも関係するクラリティについて詳しく解説いたします。詳しいダイヤモンドの4Cについては下記ページで解説を致しております。
・クラリティとは?
ダイヤモンドのクラリティ(透明度)は、ダイヤモンドの評価基準となっています カット、カラット、カラー、クラリティという「4C」のうちのひとつです。
クラリティの評価は、ダイヤモンドの外部にあるキズや摩耗、内部にある割れ、小さな結晶、斑点、乳白色の曇りなどの位置や大きさなどの目立ちやすさなどから判定されます。この傷や不純物はインクルージョンと呼び当然これらのインクルージョンが少ないほど評価が高くなります。下記図のようにクラリティグレードはFL(フローレス)からI3(インクルーデッド3)までの11に分けられています。

上記のスケールを見ただけでは、イメージがわかないと思いますので、例として、VVS(ベリーベリースライトリーインクル―デッド)とその右隣のVS(ベリースライトリーインクル―デッド)で比較して見てみましょう。
VVSは、備考欄に10倍の拡大で発見が困難な微小の欠点とあり、VSは、10倍の拡大で発見が多少困難な欠点となっています。この違いを下のダイヤモンドで比較してみてください。どちらも1カラットのGカラー、カットグレードはエクセレントです。左側のダイヤモンドはクラリティグレードがVVS1。右側がVS2です。いかがでしょう。この品質になると、ほとんど見分けがつきません。価格面では、左側のVVS1のほうが20~25%ほど高くなります。
・クラリティは2つの側面から観察されます
・ブレミッシュ(Blemishes)
ブレミッシュ(傷)には、主に次のものがあります。
- エキストラファセット(ラウンドブリリアントカットは58面ですが、それより多い余分な平面)
- 原石結晶表面の痕跡(ナチュラル)
- ポリッシュライン(ひとつのファセット面にできた平行線)
- ファセット の境界線にできる白い点々や摩耗(アブレージョン)
- ピット(白色の小さな点に見える浅いくぼみ)
・インクルージョン(Inclusions)
インクルージョンには次のものがあります。
- フェザー(宝石内の亀裂のことを指します。白い羽のように見えることからフェザーと呼ぶようになった。)
- インクルーデット クリスタル(内包結晶:他の鉱物の結晶をいう)
- ピンポイント(内包結晶で微小なものをピンポイントと呼ぶ)
- クラウド(内包結晶で多数のピンポイントから成り立っているものをいう)
- ノット(内包結晶が表面にまで届いているもの)
- ブルーズ(ファセットの境界線近くに見られるくぼみや欠けのこと)
- インターナルグレイニング(不規則な結晶成長の跡をいう。無色なものと白などの色を伴うものがある)
- キャビティ(深いくぼみや穴のこと)
- チップ(ファセットやガードルの境界線などで見られる小さな欠けや浅い穴のこと)
- インデンテッド ナチュラル(原石のときからあるくぼみがそのまま研磨後も残されたものをいいます)
- ニードル(棒状の細長い内包結晶で透明なものや白色のものがあります。)
- トゥイニング ウィスプ(ダイヤモンドの形成中にできる糸状の煙のような線)
- レーザードリルホール(ダイヤモンドにレーザーで穴をあけ、中の包有物を取り除くために行った人為的なもの)
クラリティグレードについてまとめますと、その決定要因としては、専門的にはブレミッシュとインクルージョンがあり、これらの総称としインクルージョンと一般的に呼ばれています。
これらが、ダイヤモンドの大きさに比べて大きいほど、そして裸眼で確認できるほどグレードは低くなり、そしてこれらの数が多いほど、グレードに及ぼす影響は大きくなります。さらには、テーブルの中央に近いほど影響が大きくなります。
・フェザーやインターナルグレイニングを写真で確認してみましょう
下のGIA提供の写真をご覧ください。右の大きい写真は左のものを拡大させています。注目していただきたいのは赤枠の中です。キズが確認できるとい思います。これが先ほどインクルージョンでご紹介したフェザーという「割れ」とか「亀裂」にあたります。
こういったフェザーやインクルージョンが多いものはクラリティグレードでは、評価が落ちます。それは取りも直さず価格に影響を及ぼします。次にご紹介するのはインターナルグレイニングです。
次は、「ピンポイント」です。
最後は、クラウドです。

・クラリティのまとめ
クラリティは、ダイヤモンドの評価基準となっている4Cのうちのひとつです。ダイヤモンドの外側にブレミッシュや中にあるインクルージョンとされる結晶や欠け、亀裂などがどこにあるのか、どのくらいの大きさなのか、どのような種類のものがどれだけあるのかで判断されます。そしてそれを基に各グレード基準に照らし合わせてグレードが決定されます。
・当社エタニティのポリシーと取り組み
石の選定に関しましては、ダイヤモンドは同じグレードならどれも同じと思われると思いますが、同グレードでも全く異なり品質の良い物悪い物がございます。
例えば同じSIクラスのグレードでも非常に幅が広く、傷(インクルージョン)の入り方や、傷の位置、傷の量により様々です。当然、傷も少なく石の端の方に微かな傷があるSI1と石の中央に大きな傷が入っているSI2では美しさも価格も大きく異なります。
分かりやすく例えると、SI1~SI2の間で1~10段階であるとします。「1」はVS2落ちのSI1、VS2と判断するには傷が大きい等の僅かな理由でSI1になってしまった物、当然美しいです。「10」は、SI2に入るがI1に近い物で、傷だらけで全く美しくありません。このあたりなると、本当にSI2なのかI1なのか分からなくなります。私は上位「1」~「2」に入るSI1を選定し品物を製作しております。さらには、エタニティリングなどの石の大きさを合わせる必要がある場合は、石の直径を合わせながらクラリティやカラーの度合いを判断し1石ずつ選定する事はハードルが高く気の遠くなる作業である事をご理解頂けましたら幸いです。
一例としてSIクラスでご説明を致しましたが、VSの場合などを含めクラリティ、カラー、カットの全てのグレードにつきましても同じ理論です。全ての要素をこの様な厳しい基準でこだわりを持って、必ずお客様にご満足頂く為の信念を持ち取り組んでおります。
・結局のところVVS?SI?何を選んだら良いのか?
実際に購入するとなったときに、クラリティグレードはVVSがよいのか、それともグレードを落としてSIにして少し大き目のダイヤにするがいいのか迷われることと思います。確かに誰でもグレードが高く綺麗で大きいダイヤモンドが欲しいと思いますが、上を見れば、きりがありません。
VVS1とSI1では、10倍ルーペでハッキリとした違いを確認できますが、肉眼では並べて比べても違いを認識する事は困難です。しかし、ダイヤモンドのグレードの差は、肉眼で認識する事は難しいレベルでも、自己満足的な要素も大きく満足度からより一層の美しさを感じる場合もあるかと思います。私の考えでは、私のお勧めするどの品質をお選び頂いても必ずご満足頂けると絶対の自信がございますが、最終的には自己満足的な要素を含めましてご自身がご満足できる品質のダイヤモンドをお選び頂く事をお勧め致します。以上の様に「SI1」だと思って身に着けた場合と「VVS1」だと思って身に着けた場合の満足度の違いなど満足度により更に美しく感じたりする感覚の差もある事をご考慮頂けましたらと思います。
・妥協しないジュエリー選びを!
品質が悪くても大きさや価格の安さを重視し購入した場合、果たして心からご満足頂けるでしょうか?私はお客様にお勧めする際には、目先の価格にとらわれず無理のない範囲で出来るだけご希望に合う品物をお選び頂くようにお奨め致しております。完全に無理な場合を除き、その中で出来る限り大きい物、綺麗な物、ご自身の満足を叶える物を購入される事を心よりお勧め致します。
妥協して購入してしまうと必ず「もっと大きいもの」「もっと綺麗なもの」となり結局お買い物が無駄になってしまう可能性があるからです。お客様にとって確かにご予算は重要と思います。しかし、簡単に買いなおせる物でもなければ一生使える物でもありますから、ご無理のない範囲で、より良い物をお選び頂き後悔のない様、心からご満足頂ける品物をお選び頂けましたらと思います。この先、何十年もご愛用頂ける品物である事を忘れずに、ジュエリー選びをお楽しみ頂けましたらと思います。