4Cはダイヤモンドの品質を評価する基準として1950年代にGIA(米国宝石学会)が開発しました。今ではこの4Cが品質評価基準として国際的に使用されています。4Cとはダイヤモンドの品質を判定する為の基準であるCarat(カラット=重さ)・Cut(カット=輝き)・Color(カラー=色)・Clarity(クラリティ=透明度)の4つの要素を表した用語で、この各頭文字を組みわせ“4C”と呼ばれています。この4Cの組み合わせが、ダイヤモンドの品質と価値を決定します。
そして、鑑定書は、この4Cを含めたダイヤモンドの形状などの特徴を克明に書きこんだものでGIA(米国宝石学会)や中央宝石研究所などが発行しています。鑑定書は『ダイヤモンドグレーティングレポート』とも呼ばれます。4Cの評価基準は世界中で使われているためとても重要ではありますが、注意しておくべきことは、ダイヤモンドの美しさは4Cの評価だけで決まるものではないということです。4Cだけの数値では測りしれない様々な魅力があるからです。
鑑定書は、ルビーやサファイアなどダイヤモンド以外の鉱石については発行されずダイヤモンドのみ発行されます。しかしどのようなダイヤモンドでも発行されるわけではなくエタニティリングやテニスブレスレットなど、複数のダイヤモンドを使用し一粒一粒が小さいダイヤモンドも発行される事はありません。このようにダイヤモンドであっても鑑定書が発行されないものもございます。
一般的に鑑定書や鑑別書が付いていると安心してしまい品質も確かな物と思いがちですが、必ずしも品質の良いダイヤとは限りません。もちろん鑑定付きでも鑑定無しの物でも綺麗な物とそうで無い物が、それぞれ存在いたします。しかし当社エタニティでは、創業から20年以上、鑑定書の発行されない小さなダイヤモンドであっても、中央宝石研究所及びGIA(米国宝石学会)のグレーディング基準に基づいて厳しい選定を行っています。4Cについて詳しくは下記のグレーディングレポートと合わせてご案内致します。
※エタニティでは、中央宝石研究所の鑑定書を基本とし、ご希望があればGIA(米国宝石学会)のグレーディングレポートも取得しています。B級鑑定機関の取り扱いは一切ございません。
それでは、4Cについて理解が深まりますようにグレーディングレポートについてお伝えいたします。
上の画像は、中央宝石研究所のグレーディングレポート(鑑定書)です。このレポートには、次の5つに分類され記載がされています。
1、SHAPE(形状とカットについて)
2、GRADE-4C(重量やカット、カラー、クラリティのグレードについて)
3、OTHERS(研磨状態、対称性、蛍光性について)
4、NUMBER&PHOTO(ナンバーと写真)
5、PROPORTIONS(プロポーション)
以上の5つです。そしてさらに各項目ごとに詳細が記載されています。
SHAPEの項目には、形状・カット(SHAPE & CUT)と寸法(MEASUREMENT)が掲載されています。
58面体から最も美しい輝きを解き放つのが特長です。そのために最も人気が高い形です
ダイヤモンドがカラットの割に大きく見えるのが特長です。また細長いマーキーズは指を細く長く見せます
ラウンド型に近い美しい輝きを持ち、マーキーズ型と同様に指を細く長く見せます
涙の形にも見えることからティアドロップとも呼ばれ、細長い形は指を細く見せます
ハートの形はホットする安心感があります。は愛の象徴としてとても人気があります。
四角い形でテーブル面が大きいのが特長です。縦と横の長さの比率は様々で独特な輝きを放ちます。
四角い形で角が尖っているのが特長です。正方形や長方形があります。婚約指輪にも好んで使われます。
エメラルドカットと似ていますが、テーブル面などのカットが違います。深い輝きを持っているのが特長です。
ダイヤモンドのカットにはたくさんの種類がありますが、代表的なカットは上の画像のようなカットです。
(a)ラウンド・ブリリアントカット
図の上段左側にあるのがラウンド・ブリリアントカットです。
丸型で、クラウン側に33、パビリオン側に25、合計58のファセット(研磨された面)を持ったカットのことです。これがダイヤモンドの美しさを最大に引き出す形と言われていますので多くはこの形にカットされています。
(b)ファンシーカットダイヤモンド
上の図にも出てますように、ラウンド・ブリリアント・カット以外にも、オーバルやハートなどいろいろな形にカットされることがあり、これらを総してファンシーカットと呼びます。ラウンド・ブリリアントカットよりも価値的には落ちますが、それぞれに魅力があります。
プロポーションの自動計測装置(ダイアメンション)を使用してダイヤモンドのガードル径2ヶ所(最小値と最大値)と全体の深さを測定し寸法として記載します。
この項目には、重量(カラット)、カラーの等級、色の起源、クラリティの等級、カットの等級が表示されています。
4Cのうち、目で見て最もわかりやすいのがカラットです。カラットはダイヤモンドの大きさだと思われている方が多いようですが、正確にはダイヤモンドの重さです。1カラットは0.2gです。
カラットという言葉は、その昔ダイヤの量を計る重りに使われていたキャラティオンと呼ばれる「いなご豆」が一粒0.2gだったことに由来しています。同じカラットでも、ダイヤの形状によって大きさも違ってきます。
また重量が重いほど当然希少性も高くなりますが、カラットだけがダイヤの価値を決める基準にはなりません。
1カラット(略字ではct)は、宝石の重量を表す用語で、カラットは0.200gです。精密な電子天秤を用いて小数点第3位(1/1000カラット)まで測定します。
色の色調の微妙な違いを各付け分類するのがダイヤモンドのカラー評価です。一般には純粋無色なものをDカラーとし、以下E、F、G、H・・・・Zまで23段階に分類評価します。カラーの評価をする時はマスターストーンと比較して、微妙な色調の差異を判断します。尚、Zカラー以下のダイヤモンドやピンク、ブルー、パープル、グリーン、オレンジ等のファンシーカラーと呼ばれる様々な色調を帯びたダイヤモンドは、別の価値として取り引きされています。
検査の上、その色が天然か人工かを記載しています。
この欄に「人為的照射」や、「高温高圧プロセス」などの記載があれば色付けされたものになります。
ダイヤモンドは人工的に着色する技術があります。ピンクやブルー、グリーンといったカラーに着色することができます。評価の高い無色のダイヤモンドに着色するものではなく、概ね大量に産出され商品価値の低い黄色や茶色のダイヤモンドに用いられます。
下のツールは、クラリティのグレーディング(等級)によっての明澄度の違いをご確認いただけます。磨かれたダイヤモンドを専門家が10倍に拡大し検査してインクルージョン(包有鉱物)の有無、位置、大きさ、性質、数、色を総合的に判断してクラリティーの評価は行われます。クラリティーの評価は、フローレスを最高に肉眼でインクルージョンが見える13まで11段階に分類されています。
インクルージョンが少ないほどグレードが上がり、希少性も高くなります。一般にSI以上のグレードだと、肉眼ではインクルージョンもほとんど見えません。クラリティはキズではなく、自然の結晶が生んだ特徴や個性といえます。
4Cの中で、このカットだけが人間の手によるもので、その良し悪しがダイヤモンドの輝きに影響します。 グレーディングレポートでは、プロポーション(形)とフィニッシュ(仕上げ)を基に総合的に決定され、その総合評価は以下の5段階に等級付けされます。ダイヤの輝きを最も発揮するのはラウンドブリリアントカットとされ、その他のカットはファンシーカットと分類されています。ラウンドブリリアントカットには、最も理想的とされるカットバランスが定められており、それを基準とし、減点法により5段階に評価されます。
カットの総合評価と合わせて、ここで評価される「ポリッシュ(研磨状態)」「シンメトリー(対称性)」のすべてが最高位Excellent(エクセレント)と評価されたダイヤモンドは「トリプルエクセレント(3EX)」と評価され最高位のダイヤモンドに位置付けられます。
ダイヤモンドのファセット(研磨された面)の研磨状態の仕上げ評価です。以下の5段階に等級付けされます。
対称性の良いダイヤモンドは、美しく輝きます。対称性とは、ダイヤモンドのファセット(研磨された面)の位置やバランスの仕上げ評価で、以下の5段階に等級付けされます。
ダイヤモンドは、一般的に紫外線を当てると石によって様々な蛍光を発します。ここでは、蛍光の色調や強さを記載します。品質とは、無関係です。
中央宝石研究所発行のグレーディングレポートの右上にはレポート毎に番号が記載されています。※発行日はレポート右下隅に月・日・西暦(2桁)の順で記載されています。
寸法100%に対して、テーブル径、全体の深さ、ガードル径、キューレットサイズ、クラウン高さ、パビリオン深さなどが%で示されています。
上の図をわかりやすく表示したのが下の図です。
テーブルの角から反対側の角までを4ヶ所測定し、その最大値をガードルの平均直径で割り、小数点第1位を四捨五入して%表示したものです。当社では、プロポーションの自動計測装置(ダイアメンション)を使用して算出しております。
クラウン部とパビリオンを分けている部分をガードルと呼びます。ガードルは、ダイヤモンドを保護するために必要なもので、厚さの度合いにより以下の用語で表現されます。
テーブルからキューレットまでの深さを平均直径で割り、小数点第2位を四捨五入して%表示したものです。当社では、プロポーションの自動計測装置(ダイアメンション)を使用して算出しております。
ダイヤモンドのパビリオン部の先端をキューレットと呼びます。大きさや状態によって以下の用語で表現されます。
・NONE(なし)
・VERY SMALL(非常に小さい)
・SMALL(小さい)
・MEDIUM(中位)
・SLIGHTLY LARGE(やや大きい)
・LARGE(大きい)
・VERY LARGE(非常に大きい)
・EXTREMELY LARGE(極端に大きい)
・CHIPPED CULET(欠けたキューレット)
・ABRADED CULET(摩耗したキューレット)
ダイヤモンドグレーディングレポートには、大きく分けるますと次の5つが記載されています。
1、SHAPE
2、GRADE-4C
3、OTHERS
4、NUMBER&PHOTO
5、PROPORTIONS
とかく2番のGRADE-4Cが注目されますが、ダイヤモンドの美しさは、4Cの評価だけではなく、数値では測りしれない様々な魅力によって決まります。