まずは下の丸い青い画像をご覧ください。パソコンの方は下の左側の画像。(スマホでご覧の方は下の画像になります)こちらは、ダイヤモンドからの光の反射像を調べるために特殊な照明器材でのみ観察できる画像です。
何か形が見えませんか?よくわからない方は、右側の赤い丸の中をご覧ください。(スマホでご覧の方は、下のピンクの丸の中をご覧ください)
赤い色で囲った丸の中にハート型が確認できたでしょうか。ダイヤモンドを下側(パビリオン側)から見たものです。こちらがハート&キューピッドのハートにあたります。全部で8つあります。
何か形が見えませんか?よくわからない方は、右側のピンクの四角の中をご覧ください。(スマホでご覧の方は、下のピンクの四角の中をご覧ください)
ピンクで囲った中に矢形が確認できたでしょうか。こちらは、ダイヤモンドを上側(テーブル側)から見たものです。この矢形がキューピッドにあたります。矢形も全部で8つあります。
つまり、「ハート」の形と矢の形である「キューピッド」が見られ、それが正確であると中央宝石研究所において認識されたダイヤモンドだけ「ハートアンドキューピッド™」と呼ぶことができます。「ハートアンドキューピッド™」は、品質の高いダイヤモンドと言い換えることもできます。
次に、ハート&キューピッド™について理解が早まりますようにカット(Cut)の等級についてご紹介します。
ダイヤモンドの評価基準を示しているのが4Cという基準です。4Cとは、カット(Cut=全体的な形のバランスと研磨の仕上げの状態)、カラット(CARAT=重量)、クラリティ(CLARITY=透明度)、カラー(COLOR=色)の4つの頭文字の「C」をとったものです。
そのうちのひとつであります「カット」は、重要な項目です。それは美しい輝きの重要な要素となっているからです。カットは、グレード(等級)が5段階に分類されています。
その5段階とは、一番高いほうからExcellent(エクセレント)、Very good(ベリーグッド)、Good(グッド)、Fair(フェア)、プア(Poor)となります。
そしてエクセレントは、さらに4段階に分類されます。
最上級のトリプルエクセレントH&C→H&Cエクセレント→トリプルエクセレント→エクセレントです。H&Cは、ハートアンドキューピッド™のことを指しています。
まとめすと、ハートアンドキューピッド™の等級が付けられているのがエクセレント以上であり、しかも最上位とすぐその下にしかハートアンドキューピッド™は与えられていません。それは当然、価格に反映されますので、他のグレードよりも高価なものとなります。※ハート&キューピッドは、中央宝石研究所の商標登録したものなので、GIA(米国宝石学会)の鑑定書ではハート&アローという記載になります。
ハート&キューピッド™は、ラウンド・ブリリアントカット独特のもので特殊な照明器材条件下でのみ観察する事ができるため、目視では確認できません。
ちなみにブリリアントカットと名の付くものは5つほどあります。
ハート&キューピッド™のパターンは、ある範囲のプロポーションとある水準以上のシンメトリー(対称性)があればカット評価がEXCELLENTで無くても観察出来ます。
しかしながら、どのようなハートの形やキューピッドでもハート&キューピッド™と認定しているわけではなく、株式会社 中央宝石研究所(外部サイト)では、判定には独自の判定基準を設けています。
先端接合部のずれは最大3%くらいとしていますが、上の図ではそれを超えているため不可と判断されています。
上の図で、一番左のハートは、クレフトという中央のV字の裂け目の切れ込みが細く、しかも3分の1までなので可となります。真ん中のハートは切れ込みが太く大きいので3分の1であっても不可です。最後に一番右のハートはクレフトの切れ込みは細いですが、3分の1をを超えているため不可という判断になります。
この他にも、テーブル面積が広すぎて若葉マークに似た形状になっているもの。テーブルが狭すぎてハート形状になっていないもの。著しくハートの大きさに差があるものなどすべて不可とされています。
また、矢形については、矢が鮮明に確認出来る事が最低条件であり、8本の矢の位置・形状が対称的である事とされています。
そのため、矢先と矢軸の接合ずれや白く反射していないなどは不可とされています。
以上、ハートアンドキューピッド™についての説明でしたが、理解は深まりましたでしょうか。