2つのダイヤモンドを比べて見ても大きさや色も違わない。なのに価格がだいぶ違う。このようなことあなたも体験やネット上で見かけたことがあるかと思います。
ダイヤモンドはサイズだけでなく品質が値段に関係してきますので、このようなことが起こります。品質といってもひとつだけの評価ではなく4つほどあります。
その品質のひとつが「クラリティ」です。クラリティ評価が価格面に影響しているのは事実ですので、女性のみならず、これから婚約指輪を購入しようと思っている男性にとっても知っておいて損はない事柄だと思います。そこで今回は、このクラリティについて解説いたします。

クラリティとは?

ダイヤモンドのクラリティ(透明度)は、ダイヤモンドの評価基準となっています カット、カラット、カラー、クラリティという「4C」のうちのひとつです。
クラリティの評価は、ダイヤモンドの外部にあるキズや摩耗、内部にある割れ、小さな結晶、斑点、乳白色の曇りなどの位置や大きさなどの目立ちやすさなどから判定されます。当然これら不純物が少ないほど評価が高くなります。下の図のようにクラリティグレードはFL(フローレス)が最高ランクで、最低はI3(インクルーデッド3)までの11に分けられています。

クラリティーの等級

上のスケールを見ただけでは、イメージがわかないと思いますので、例として、VVS(ベリーベリースライトリーインクル―デッド)とその右隣のVS(ベリースライトリーインクル―デッド)で比較して見てみましょう。

VVSは、備考欄に10倍の拡大で発見が困難な微小の欠点とあり、VSは、10倍の拡大で発見が多少困難な欠点となっています。この違いを下のダイヤモンドで比較してみてください。どちらも1カラットのGカラー、カットグレードはエクセレントです。左側のダイヤモンドはクラリティグレードがVVS1。右側がVS2です。いかがでしょう。
ほとんど見分けがつかないでしょうが、左側のほうが明るく輝きがあります。これがVVSとVSの違いです。価格面では、左側のほうが15%ほど高くなります。

左はクラリティグレードがVVS1のダイヤモンドで、右のVS2のダイヤモンド
ラウンドブリリアントの1カラットダイヤモンド

クラリティは2つの側面から観察されます

先ほどクラリティは、外部にあるキズや摩耗、内部にある割れ、小さな結晶、斑点などを観察すると述べました。
このダイヤモンド外部に限定されるものを「ブレミッシュ(Blemishes)」といい、そして表面から内部に入り込んだものや完全に内部にあるものをインクルージョン(Inclusions・内包物)といいます。この2つの視点から観察します。仮に大きいインクルージョンがあるとするならば、外から内部に入った光が反射や屈折の妨げになったりします。その影響でダイヤモンド本来の透明度や眼に戻る光の量を減衰させてしまうため評価は下がることになります。

ブレミッシュ(Blemishes)

ブレミッシュ(傷)には、主に次のものがあります。

    •  エキストラファセット(ラウンドブリリアントカットは58面ですが、それより多い余分な平面)
    • 原石結晶表面の痕跡(ナチュラル)
    • ポリッシュライン(ひとつのファセット面にできた平行線)
    •  ファセット の境界線にできる白い点々や摩耗(アブレージョン)
    • ピット(白色の小さな点に見える浅いくぼみ)

インクルージョン(Inclusions)

インクルージョンには次のものがあります。

  • フェザー(宝石内の亀裂のことを指します。白い羽のように見えることからフェザーと呼ぶようになった。下の写真をご覧ください)
  • インクルーデット クリスタル(内包結晶:他の鉱物の結晶をいう)
  • ピンポイント(内包結晶で微小なものをピンポイントと呼ぶ)
  • クラウド(内包結晶で多数のピンポイントから成り立っているものをいう)
  • ノット(内包結晶が表面にまで届いているもの)
  • ブルーズ(ファセットの境界線近くに見られるくぼみや欠けのこと)
  • インターナルグレイニング(不規則な結晶成長の跡をいう。無色なものと白などの色を伴うものがある)
  • キャビティ(深いくぼみや穴のこと)
  • チップ(ファセットやガードルの境界線などで見られる小さな欠けや浅い穴のこと)
  • インデンテッド ナチュラル(原石のときからあるくぼみがそのまま研磨後も残されたものをいいます)
  • ニードル(棒状の細長い内包結晶で透明なものや白色のものがあります。)
  • トゥイニング ウィスプ(ダイヤモンドの形成中にできる糸状の煙のような線)
  • レーザードリルホール(ダイヤモンドにレーザーで穴をあけ、中の包有物を取り除くために行った人為的なもの)

クラリティグレードについてまとめますと、その決定要因としては、ブレミッシュとインクルージョンがあります。
これらが、ダイヤモンドの大きさに比べて大きいほど、そして裸眼で確認できるほどグレードは低くなります。そしてこれらの数が多いほど、グレードに及ぼす影響は大きくなります。さらには、テーブルの中央に近いほど影響が大きくなります。

フェザーやインターナルグレイニングを写真で確認してみましょう

下のGIA提供の写真をご覧ください。右の大きい写真は左のものを拡大させています。注目していただきたいのは赤枠の中です。
キズが見えませんか。これが先ほどインクルージョンでご紹介したフェザーという「割れ」とか「亀裂」にあたります。

このダイヤモンドのクラリティグレードはVS2です。10倍の拡大で石を観察したときにテーブル付近の赤い四角で囲んでいる部分にフェザーが確認できます。写真:GIA

こういったフェザーやインクルージョンが多いものはクラリティグレードでは、評価が落ちます。それは取りも直さず価格に影響を及ぼします。次にご紹介するのはインターナルグレイニングです。

インターナルグレイニング
インターナルグレイニングは、結晶の成長過程での異常により生じるインクル―ジョン。このダイヤモンドはクラリティグレードがVVS1。写真:Shane F. McClure/GIA

お次は、「ピンポイント」です。

ピンポイント
10倍に拡大すると小さな斑点のように見えるピンポイント。その上に見えるのは内包結晶です。写真:John I. Koivula/GIA。提供:K. R. Gems & Diamonds International(K.R.ジェムズ&ダイヤモンド インターナショナル)

最後は、クラウドです。

インクルージョンのひとつ、クラウドのあるダイヤモンド
多数のピンポイントが集まったのがクラウドとなる。写真: John I. Koivula/GIA

クラリティのまとめと当社エタニティのポリシー

クラリティは、ダイヤモンドの評価基準となっている4Cのうちのひとつです。
ダイヤモンドの外側にブレミッシュや中にあるインクルージョンとされる結晶や欠け、亀裂などがどこにあるのか、どのくらいの大きさなのか、どのような種類のものがどれだけあるのかで判断されます。そしてそれを基に各グレード基準に照らし合わせてグレードが決定されます。

では、実際に購入するとなったときに、クラリティグレードはVVSがよいのか、それともグレードを落としてSIにして少し大き目のダイヤにするがいいのか迷われることと思います。

確かに誰でもグレードが高く綺麗で大きいダイヤモンドが欲しいと思いますが、上を見れば、きりがありません。そこで品質が良くなくても大きさの見た目を重視し、しかも安いからと購入した場合、果たして心から満足頂けるでしょうか?

妥協して購入してしまうと必ずもっと大きいもの、もっと綺麗なものとなり結局お買い物が無駄になってしまう可能性があります。

私は限られた予算の中では、大きさで選ばず小さくても綺麗な物をご購入頂く様にお勧めしています。同じ品質で大きい物と小さい物を悩まれた場合は、ご予算に無理のない範囲で大きい物をお勧めいたします。

いずれにしても目先の価格にとらわれず無理のない範囲で出来るだけご希望に合う品物をお選び頂き、満足していつまでも永く愛用できるのかをお考え頂く事が重要だと考えております。